多種多様の作品が生み出されてきた大堀相馬焼ですが、
中でも代表的な3つの特徴があります。       

青ひび

ほとんどの大堀相馬焼には貫入と呼ばれるひびが器の表面に拡がった模様になっています。これは陶器を約1230℃で焼成し、徐々に冷ましていく過程で、粘土と釉薬の収縮率の違いから生じる現象です。このひびに墨をすり込み、磨き上げると黒いひび模様が浮かび上がります。
窯出し時、ひびが入る際に聞こえて来る風鈴のような音は「貫入音」と呼ばれ「うつくしまの音30景」にも選ばれた繊細で美しい音です。

駒絵

諸説ありますが、相馬中村藩の時代に当時田畑を耕す農耕馬を訓練し戦馬に仕立て、他藩から民を護った「御神馬」を描いたもので、狩野派の筆法といわれています。
駒絵は「走り駒」や「左馬」とも呼ばれ、武運長久、家内安全等を祈念した縁起の良い図柄とされてきました。

二重(二重焼き)

二重の構造は大堀相馬焼独特の技法で、製作には熟練が必要です。魔法瓶のように器の内側に空気の層があるので、保温性が良く、熱い湯を入れて手に持っても熱くありません。
ハート型に見える穴ですが、実は「千鳥」を表しており、竹で描いた模様は「波」を表しています。輸出時、海外の人にわかりやすくする為、「ハート」や「花びら」と表現するようになり、現在ではこの穴を空ける工程を「花抜き」と言います。